松本氏のNICEなオィッス!
●第3回 「続 あむチャンのイス」

新年明けましておめでとうございます。当コラムの読者の皆様方は、良い年末年始をお過ごしになられたでしょうか? 私の年末年始の休暇はゴルフ三昧でした…、と言いたいところですが、あまりに寒すぎて誰もゴルフに付き合ってくれませんでした(涙)。さて、今回も引続きあむチャンの椅子についてご紹介します。


写真@


写真A


写真B

最近、あむチャンに3台目のフォームチェアー(クッション材で削りだした椅子)を製作しました(写真@)。本体の中身であるスポンジは、金属用ノコの刃を加工して製作した自社製ナイフを使用し、あむチャンの身体の形状に合わせて削ってあります。全体的な形や背もたれの角度などは前回製作した椅子と大きくは変わっていませんが、体重の増加や脊椎の変形からくる発赤が強くなったことから、椅子の支持面に褥創予防の低反発性クッションを部分的に埋め込みました(写真A)。

以前からお母さんが気にしていたのですが、あむチャンは腰椎から胸椎にかけて、脊椎の後彎がやや強いので、棘突起部に発赤ができやすく、その部分の皮膚が少し変色しています。また、椅子に座ることが大好きで、家にいる間はずっと座っているそうで、お母さんも座れるようになったのはうれしいけど、「座りすぎて(?)変色してきた尾骨部に褥創ができるのでは?」、と心配しているそうです。写真Aのピンク色の低反発性クッションは腰部の圧力を分散させることを目的に使用しています。また、お尻の部分には、コンニャク状のクッションを埋め込むことにより体圧を分散させています。腰部にコンニャク状のクッションを使用すると流れ落ちそうなので素材を分けることにしました。

その他のポイントとして、前回の椅子と同様に、股関節の屈曲角度を大きく設定することにより、あむチャンの伸展パターンの緊張を抑制しつつ、お尻が前方へずれるのを効果的に防止しています(写真B)。また、本体には2種類のスポンジを使用しています。背もたれからお尻にかけては、柔らかめのスポンジ(※普通のウレタンスポンジよりは固め)を、大腿部には固めのスポンジを使用しています。大腿部に固めのスポンジを使用する理由は、筋緊張の抑制力を高めるためです。あむチャンは伸展パターンの緊張が強いので、柔らかいクッションでは緊張が高まったときに、その力に負けてクッションがつぶれてしまいます。つぶれてしまうと緊張の抑制とお尻の前方へのズレの防止ができずに椅子に座ることができなくなり、ついには椅子から落ちてしまったりすることもあります。よって、製作者は使用者の筋緊張の強さや高まり具合など、しっかりと把握して製作することが必要になります。

(写真掲載等、保護者の承諾済み)